明日また電話するよ(山本直樹ベストワークス)【緑色の本2】
先日は片思いのように切ない瞬間を捉えた作品を紹介しましたが、今回は切なくも肉欲にまみれた山本直樹さんの短篇集を持ってきました。
山本直樹さんは大変有名な漫画家で、こちらは膨大な著作の中から自薦した傑作集です。
夢幻と感傷──著者自身が認める、ベスト・ワークス。
この十余年に描かれた膨大な作品群から、最も重要と思われる短篇を作者自らセレクト。
書き下ろしの解題では、創作の秘密や自身のルーツがはじめて明かされる。
山本直樹の精髄が凝縮された、異彩の書
山本直樹さんの作品は確かにエロい物が多いのですが、
その肉欲にまみれた自分たちを何処か俯瞰的に見ているような目線がいつもあります。
繰り返される平坦な日常にSEXが紛れることがあっても、それ自体が世界を開ける革命的な鍵にはならない。非日常さえも日常に組み入れられていくような淡々とした毎日の中で、いつかの自分たちの残像をフッと垣間見るような。
大体どの作品も男は冴えない感じです。
一口に恋愛感情といっても形は様々ですね。
■次回
平坦な毎日の中にある平坦な恋心とSEX。次回はそんな気持ちを詠んだ短歌を持ってきます。次回もお楽しみに。