ちひろ: 安田弘之【白色の本7】
先日は、”文化人の性風俗誌”と銘打った60年前の風俗誌を紹介しましたが、今回は風俗繋がりで、現代の風俗をテーマにした漫画を持ってきました。
Amazonにもレビューが載っていました。
「いらっしゃいませ」
カラダとココロのヘルス嬢!
ってそんだけかい!(思わず突っ込んでしまいました)
内容は確かに、ある風俗嬢(ちひろ)の物語です。主人公は独特の世界観と立ち位置を持って世間と接していて、その独特さが周りの人に波紋を呼び、お客からは歓迎される。平たく言えばそんな内容です。
風俗嬢や売春婦を(逆説的に)無垢の象徴であると定義づけるのも、「罪と罰」の娼婦ソーニャの頃から(いやいやもっと昔から)存在しており個人的には見飽きた構図ですし、男性のエゴがかいま見える様であまり好きな構図でもありません。
ですが、それを飛び越えて”良い”と思えるのは、安田弘之さんの描く心理描写や人間関係の深さあってだと思います。良いですね。ここまで書ききってくれて嬉しいです。
女性で、トリックスター的な役回りという意味では臨死!! 江古田ちゃんも同じ系統の作品です。
”ちひろ”にであってから安田さんの他の作品も読んでみたのですが、人間描写に優れているという点ではこの作品が一番でした。新作もたくさん出ているのですね。読まないと。
ちひろ: 安田弘之
■次回
性風俗といえば、その制服は”下着”と言ったところでしょうか。次回は下着について幅広く取りまとめた作品を持ってきます。次回もお楽しみに。
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