ミヒャエル・ゾーヴァの世界【茶色の本3】
先日は、無人であるにもかかわらず部屋の隅々まで物語が転がっているような不気味な洋館の絵本を紹介しましたが、今回は、人(と動物)がいても不気味な雰囲気の漂う画集を持ってきました。
作者は、映画『アメリ』で美術を担当されていた方です。
2001年、ジャン・ピエール・ジュネ監督の映画『アメリ』で、劇中に使われる絵とランプを制作、これによってさらに知名度が高まった。
絵自体は空間を活かした作品が多いです。
登場人物はポツネンと佇み、白目を剥いてこちら側を凝視しています。
その表情は私達に、異型の者たちが集う密やかな会食会に間違えて迷い込んでしまったような、居心地の悪さを感じさせます。
1枚の絵から立ち上がる不思議な物語。笑いに満ちた空間。可愛らしさの奥にちらりと漂う毒気。ただならぬ気配。こみあげる懐かしさ。
動物がいてユーモラスな画集かと思いきや、なかなか迫力ある作品集です。
※※ この本に似た作品にリンクします。お好きな次回を選んでください※※
■次回
人かあるいは異界の者か。
夜の暗闇を跋扈する、今度は精霊をモチーフにした画集はいかがでしょう。
ダークファンタジー基調な所がよく似ています。