未来図書

未来食堂の蔵書一覧。画集や写真集などの珍しい本を紹介しています。

高い塔の住人―工藤菊畝作品集【水色の本1】

 
先日は、ふとした瞬間に歪んでしまったような日常の風景を収めた写真集を紹介しましたが、今回は”ふとした歪み”を捉えた絵画集を持ってきました。

 
高い塔の住人―工藤菊畝作品集
 
高い塔の住人―工藤菊畝作品集

 
Amazonにもレビューが載っていました。

夢の中で見た青い空を背景に銀色に光るブリキの塔、冷たい床に吹き込む夕立の風、蒸し暑い真夏の夕暮れの駅前広場…虚無なる日常性をアクリル画で描いた詩情溢れる新鋭・工藤菊畝の画文集。


 
内容は小説とカラーの絵画集の二部構成になっています。個人的には、絵画の作品をもっともっと見たいところです。”虚無なる日常性”を描いた空気感が大好きなのですが、この本以外にはそのタッチでの作品集は出されていない様子。なのでこの本が”買い”になりました。
高い塔の住人―工藤菊畝作品集
 
高い塔の住人―工藤菊畝作品集

 
ある日突然、”何か”が起こって村人が全員消えてしまったような。ぽっかりと日常が断絶されたような空気感。のっぺりした感じもいいですね。公式のHPで作品も紹介しているようですが、最近は一層挿絵チックになっている感じがします。文章を一緒にあわせて表現したい作家さんなのでしょうか。個人的には挿絵に倒れず、もう少し絵を磨いたら一層光るだろうに、と感じてしまいます。
高い塔の住人―工藤菊畝作品集

 
高い塔の住人―工藤菊畝作品集

 
■次回
”虚無なる日常性”。現代文学で特によく見られるテーマに感じます。次回は同じく”虚無なる日常性”に焦点を置いた、有名な漫画を持ってきます。次回もお楽しみに。
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