回転ドアは、順番に (ちくま文庫)【黄色の本3】
先日は、失恋中の女子に対して『お気は確か?』と辛言をぶつける名作オカマエッセイを紹介しましたが、今回は、そんな失恋を迎える前の、恋愛最高潮の魂をぶつけあう二人の短歌集を持ってきました。
ある春の日に出会って、ある春の日に別れるまでの、恋愛問答歌。短歌と、そこに添えられた詩のような断章で、男と女、ふたりの想いがつづられる。
穂村弘さんと東直子さんの短歌が並んでいます。
もともとは単行本の大きな本を持っていました。
短歌の間に独り言のような散文も紛れていて、短歌に敷居の高さを感じている人でも気楽に読める作りになっています。
単行本はこんなふうにカラーなので、二人の問答が目で分かりやすかったのですが、
文庫本は当然白黒。
歌の上に作者別の記号が付いているのですがぱっと見よくわかりません。
ですので、こうやって歌頭にカラーペンで丸をつけてみました。
ここまで入れ込んだ理由は、解説にあります。
作品紹介には『ある春の日に出会って、ある春の日に別れるまでの、恋愛問答歌』とありますが、
残念ながら凡人には全然分からない のです。
短歌一つ一つはいい感じで好きなのですが、この作品紹介を読んで驚いてしまいました。
『え?!別れてたんだ?!』って。
そんな凡人にも、文庫本には分かりやすい解説が付いています。
実は別れ方も衝撃的な別れ方だったのですが、そのあたりも読んでいて全く気づけませんでした。
初めの "回転ドアに入れない人がいた" って一節は『出会いなんだな』と分かることも出来ましたが‥
凡人は、恋愛の魂をぶつけあう土俵にすら立てないのか。。
回転ドアは、順番に (ちくま文庫)
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