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未来図書

未来食堂の蔵書一覧。画集や写真集などの珍しい本を紹介しています。

長谷川健郎写真集「奇妙な凪の日」【白色の本3】

白色の本3

 
先日は、最先端のアートシーンでは何が起きているか、を主題とした作品集(その名もアート・ナウ)を紹介しましたが、今回は”現代日本では何が起きているか”を取り上げた写真集を持ってきました。

 
長谷川健郎写真集「奇妙な凪の日」
 
長谷川健郎写真集「奇妙な凪の日」

 
個人的にはドキュメンタリに軸足を置いた作品集は好みではない(それよりも作品としての美しさや完成度を重視するタイプ)ですが、この本は対象の切り取り方が実にグロテスクで目に止まりました。

 

豊饒なる貧困。饒舌なる無音……斎藤環
盲導犬の「老犬ホーム」、青刈りされるイネ、青いザリガニ、プラスチックの墓群、天然記念物ニホンカモシカの頭蓋骨が眠る倉庫……。
決して見たことのない、しかし確かに見たことのある……現代ニッポンの驚くべき「風景写真集」


 
最初は以前取り上げた”偽景”のようにシュールで歪んだ国内の風景を集めた作品集なんだと思っていました。でも巻末のメッセージをよく見ると、日本の病んだ部分を告発することに軸足があるんだと気がついた次第です。ドキュメンタリーだなんだと熱くさいのも良いですが、こんなふうに写真や作品集としての完成度が高いゆえ広まっていくのも、また一興です。

 
長谷川健郎写真集「奇妙な凪の日」
 
多くの写真は”数”で勝負をかけてくるタイプ(被写体の数が膨大で、その量に圧倒される)です。普段目にしない光景なので、眺めるだけで楽しめます。
長谷川健郎写真集「奇妙な凪の日」

 
長谷川健郎写真集「奇妙な凪の日」

 
■次回
今回は、膨大な被写体を前にいつしかその意味が変形してしまったような写真集を紹介しました。次回も、圧倒的多数の被写体を一眼にして、その意味がぐにゃりとねじ曲がるような作品集を持ってきます。次回もお楽しみに。
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