La maison de Jean-Pierre Raynaud : Construction Destruction 1969-1993【白色の本12】
先日は、布が重なったような珍しい建築が載っている建築雑誌を紹介しましたが、今日は、 個人的に一番惹きつけられる、孤独で美しい「家」の写真集を持ってきました。
La maison de Jean-Pierre Raynaud : Construction Destruction 1969-1993
ジャン=ピエール・レイノーさんは、現代美術家です。彼の名前を一躍有名にしたのはこの写真集にも記載されている、彼の「家」です。
床、壁、天井そしてベッドなどの家具にいたるまで、文字通り全てが15cm四方の白いタイルで張られた家。その“家兼作品兼アトリエ”は、アーティストが一人孤独の内にインスピレーションを得る源となっていた。
すべての表面を白タイルで張り詰め、直線と鉱物だけで表現されたような無機質な空間が広がります。 ただただ美しい。 2001年宇宙の旅のラストシーンを思い出します。こんな感じでしたね。
本作品は、フランスの現代美術家レイノーにとって非常に特別な出来事――1969年に建設し、その後23年間にわたって完璧な美的水準に到達するまで手を入れることで、彼の最高傑作となった家を自ら破壊する行為――をとらえた貴重な映像である
最高に孤独で美しいこの家は、自身の手で取り壊されてしまいます。 作品が幸福な結末を迎えるために、自分の手で取り壊す必要があったと説明しています。
このジャン=ピエール・レイノーの白タイルの家が
とても気になって探し求めたのですが作品集が今まで見つけられず。
たった1ページだけ「家」が載っている彼の別の作品集を持っていましたが、この作品集を買うことが出来たので以前の作品集はお譲りしました。 日本で買うと6500円と高いですが、ドイツ(Amazon.de)ではもっと安かったです。
La maison de Jean-Pierre Raynaud : Construction Destruction 1969-1993
まるで恋愛の始まりから終焉までを見届けたような気になる一冊です。
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