ザ・フォール/落下の王国 【水色の本3】
先日は、夢でみるワンシーンのような、物語の挿絵のような、作りこまれた写真集を紹介しましたが、今回は、実際に”夢”を舞台にした幻想的な映画作品を持ってきました。
落下の王国。
有名な映画なのでご覧になった方も多いのではないでしょうか。今回は映画のパンフレットとなります。
『ザ・セル』で世界に衝撃を与えたターセム監督が、アカデミー賞®受賞デザイナーの石岡瑛子をはじめ、デビッド・フィンチャー、 スパイク・ジョーンズ、そしてクリシュナ・レヴィと共に構想26年、撮影に4年の歳月を費やして創りあげた圧倒的な映像世界。20カ国でロケーションを敢行し、多数の世界遺産が登場、CGを使用せず創りあげた映像美は観るものを魅了する。
映画の撮影中に怪我を負い病院のベッドで寝たきりのスタントマン、ロイは、重なる不運に自暴自棄になっていた。そんな彼の前に現れたのは、同じ病院に入院していた5才の少女アレクサンドリア。ロイは自殺しようと薬を手に入れるために、アレクサンドリアを利用することを思いつく。そして、彼女の気を引こうと、6人の勇者が世界を駆け巡り、悪に立ち向かうという、世界にたったひとつしかない冒険物語を聞かせ始める。
”CGを使用せず創りあげた映像美”は本当に圧巻で、ロケも世界各国で行われた事が書いてあります。
不思議な風景が繰り広げられますが、これはSFではなく、”青年が語るお伽話を絵にしてみたら”という設定。この青年と女の子が主人公です。
青年の心象風景とも言えるもので、青年が絶望を感じている時には暗転した舞台になることもあります。
映像が圧巻なので、パンフレットを見るだけでも作品として楽しめます。
ターセム監督の『ザ・セル』も見たことがありますが(怖い!)、単純な善悪二元論ではない所や、この『落下の王国』にしても単なるハッピーエンドではない所が面白いです。インド出身だそうで、なんだか納得。
異性が紡ぐ空想物語をワクワクと楽しむ所は、先日紹介した”アリスの不思議なお店”と似ていますね。
■次回
青年と少女が紡ぐ心象風景は美しく、幾度もハッとさせられました。次回は”心象風景”繋がりで、母子・女友達など、女性同士の関係性に潜む心象を絵に表した漫画を持ってきます。次回もお楽しみに。
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