アイノカテゴリー(みうらじゅん)【緑色の本2】
先日は、世紀末の珍品を取り集めた図鑑を紹介しましたが、今回は著者一人が撮り続けた”珍”な風景を集めた写真集を持ってきました。
十数年間に渡って撮り続けた「アイ」のある風景。みうらじゅん初の写真集。
新聞の誤字や斜め上を行く看板のイラスト。
いわゆるVOWに代表されるように、まちなかの変な物スナップは不動の人気を誇ります。
しかしこの「アイノカテゴリー」が素晴らしいのは、
そんな「くすっ」の笑いを超えた作品集である事。
作者まえがきにもありますが、万物に対する慈しみの目が素晴らしい。
綺麗なものも汚いものも聖も穢れも、全てを平等に切り取って、
ニコニコ笑えるラベルを張ります。
「アイって実はこの世の中に満ち溢れているんだ」
他愛無い芸をして笑いを取る子どものような、
くったくのないみうらじゅんさんの人となりが伺えます。
「アイ」のある、賛歌のような一冊です。
Amazonでは安値だけれど、、もっと評価されていい作品です。
※※ この本に似た作品にリンクします。お好きな次回を選んでください※※
■次回
クスッと笑える面白くて珍しいもの。
「役に立たないこと」を目的として作られた珍道具集はいかがでしょうか。
■次回
女性下着も仏像も墓石も、改めて捉え直すと意味が変形していきます。
日本風俗のワンダーランド、”イメクラ”に焦点を当てたこの写真集は、
色んな意味が歪んで迫ってきます。