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未来図書

未来食堂の蔵書一覧。画集や写真集などの珍しい本を紹介しています。

たまゆら(神蔵美子)【緑色の本2】

先日は、肋骨を変形させてまで”女性らしさ”を獲得する下着、鋼鉄製コルセットのカタログを紹介しましたが、今回は、自分の性アイデンティティを変形させてまで”女性らしさ”を獲得する、異色な写真集を持ってきました。

 

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たまゆら(神蔵美子)

 

メス化する男たち。赤塚不二夫泉麻人四方田犬彦ら著名人33人による女装写真集。文壇、論壇、学界、アート、…さまざまな分野で活躍する著名人。「自分の中に女を発見した」「こんなにいい女になるとは思わなかった」「女の人は大変だね」「これから僕は変わります」「お袋にそっくり!」など、多種多様の感想と溜息が溢れる撮影当日インタビューも同時掲載。

Amazon.co.jp: たまゆら: 神蔵 美子: 本

 

「こんな人まで!?」と驚くような各界の著名人が女装し撮影されています。

f:id:miraishokudo:20141127092052j:plain宮台真司さん

 

f:id:miraishokudo:20141127092053j:plain都築響一さん

 

誤解を恐れずに言えば、彼ら(モデルたち)は驚くほど美しく女性らしいです。

どうしてここまで”女性らしく”あるのか。
その理由を考えてみるに、彼らは一流の著名人であり、多くの”女性とは”に対する体験談や思いを持っているに違いありません。それらのイメージがまるで合わせ鏡のように彼らの表層に現れているからではないでしょうか。

f:id:miraishokudo:20141127092054j:plain泉麻人さん

 

深淵を覗きこむ我々を深淵がまた見返すように、観察者である私の中の”女性”を覗きこまれているような迫力があります。『僕はここまで”女性”を見抜いているよ』というメッセージが今にも聞こえるようです。

 

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巻末のモデルたちの女装体験記は、短いながらも読み応えがありこれだけで1冊の本になりそうです。

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ここまで”女性”は、私は、見抜かれている。
そのことに不思議な安堵を覚えつつ、いつしか自分の一部がコピーされ続けているような自己増殖の世界に浸りこむのでした。

 

たまゆら(神蔵美子)


※※ この本に似た作品にリンクします。お好きな次回を選んでください ※※
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