Palepoli(パレポリ):古屋兎丸【白色の本11】
先日は、日本のサブカルチャーを芸術にまで昇華した、巨匠村上隆の作品集を紹介しましたが、今回は、4コマ漫画を芸術にまで昇華した作品集を持ってきました。
古屋氏の最初の作品(単行本)。ガロに掲載されていました。さすが美術の先生だっただけあって、「どうやって描いたんだ!」と思わせる精密(すぎる)画面にはおもわず息を呑んでしまいます。どうやら一日一コマのペースで描いていたらしいです。4コマ漫画で、ジャンルは一応ギャグです。この画面でギャグをやられると、そのギャップでクスッと笑ってしまいます(もちろん、ネタ的にも面白いですが。火の鳥の漫才とか)。一読あれ。
古屋兎丸さんの、4コマ漫画集です。元美術教師ということもあり画力の高さも際立っています。が、それにもまして西洋美術への潤沢な知識を惜しげも無く4コマ漫画に活用している点が異色さを際立たせています。
こちらはフランシスベーコンの画法。
他にもボッシュやジュゼッペ・アルチンボルドを模倣したアート(4コマ漫画!)があります。
複雑な絵からチャイルディッシュな絵まで。ここまで画力がある漫画は見たことがありません。
古屋兎丸さんのアート的な側面が強い他の作品に「Garden」があり、こちらはボッシュ風味のややグロテスクさもあるアニミズムが好きな人に特にオススメです。
Garden (Cue comics)
「Garden」と「Palepoli」、どちらを蔵書するか迷いましたがPalepoliの方が画法の幅が広いためPalepoliを採択しました。いかにも90年代だから許されたグロテスクな表現もあり、Gardenも一読の価値有りです。
※※ この本に似た作品にリンクします。お好きな次回を選んでください ※※
■次回
今回はアートの域に高められた4コマ漫画を紹介しました。次回も、アートの域に高められた映画作品”クレマスター”を紹介します。次回もお楽しみに。
■次回
Palepoliはいかにもサブカルチャーで一般の商業誌には載らないような作品でした。次回もそんな、一般紙には載らないけれども面白い、廃墟/東南アジアの街並み/昭和レトロが混じった異色の漫画を持ってきます。次回もお楽しみに。