Summon Monsters? Open The Door? Heal? Or Die? - 召喚するかドアを開けるか回復するか全滅するか【白色の本１０】

先日は、日本の現代アートを一望する作品集を紹介しましたが、今回は日本の現代アートを代表する、村上隆さんの作品集を持ってきました。

Summon Monsters? Open The Door? Heal? Or Die? - 召喚するかドアを開けるか回復するか全滅するか

「日曜美術館」『芸術新潮』でも特集された日本を代表するアーチスト村上隆の初の本格的作品集。スケッチや制作工程も盛りこみ、若い人への現代美術入門書としても格好の一冊。

発刊が２００１年なので載っている作品は古いものとなりましたが、村上隆さんの代表作がほとんどカラー＆大判で載っており、非常にお得感があります。 

この作品集のおすすめポイントは、制作しているスタッフやその過程が詳しく解説されている点です。
自分は絵画の制作経験がないのでピンと来ない内容も多いのですが、それにしても色塗りの複雑さや下絵の細かさ、スタッフの膨大さは素直に感動します。

村上隆さんは、自分一人だけで作品を作るのではなくスタッフを率いて作品を作る”工房制”をとるアーティストです。
この方式や、いわゆるジャパンカルチャー（漫画やフィギア）をベースにして”作品”と銘打つことに疑問を投げかける批評家も多いです。
ですが、私個人的には、村上隆さんの考え方は非常に好ましく応援しています。

村上隆さんの信念に関してはこの本ではあまり取り上げられていないので、”日本では嫌われ海外では評価されている”背景が気になる方は、村上さんの著作を読まれるのがいいかなと思います。

芸術闘争論

ハイブランド（ルイヴィトン）とコラボする姿勢など、『美術は清貧こそ正義』の固定観念を覆して面白いです。これからも応援したい作家さんです。

Summon Monsters? Open The Door? Heal? Or Die? - 召喚するかドアを開けるか回復するか全滅するか

※※ この本に似た作品にリンクします。お好きな次回を選んでください ※※
■次回
村上隆さんは日本の漫画をアートに昇華しました。次回も、４コマ漫画を芸術の域まで高めた作品を持ってきます。次回もお楽しみに。

■次回
「高々マンガや美少女フィギュアを作っているだけなのに、なんでそんなのがアートなの？」そう考える方もたくさんいると思います。次回はそんな疑問に寄り添う、現代アートの解説を載せた国立美術館ガイドを持ってきます。次回もお楽しみに。