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Points of View - 視線の変遷 - 野又穫作品集【水色の本4】

先日はどこにでもあるようでどこにもない町並みを描いた、野依幸治さんの画集を紹介しましたが、今回はややシュールさを増した白昼夢のような、野又穫さんの画集を持ってきました。

 

Points of View - 視線の変遷 - 野又穫作品集
Points of View - 視線の変遷 - 野又穫作品集

 

野又穫さんの絵は、一度見たら忘れられない独創性がありファンも多いかと思います。永遠に完成しない異世界の建築物たちは、廃墟好きの心をも掴んで離しません。

絵画の中に永遠に封じ込まれた空想建築。その世界は、独特の繊細かつ緻密な表現による具象画のリアルな空気をもつ一方で、常に静寂に満ち、現実の世界とは相容れない不思議な時空間を作り出す。そこに建ちそびえる建築の姿は、建造と修復、そして解体が同時進行し、終わりのない未完の印象を私たちに与える。過去、現在、未来が混在し、完成=誕生せぬまま生成しつづけ、同時に解体しつづける、「永遠の時間」―。1986年のSTILL―静かな庭園―から、2004年POINTS OF VIEW―視線の変遷―に至るまで、ドローイング等を含む、画家自選による約200点を収録。

 

Points of View - 視線の変遷 - 野又穫作品集

 

 

銀座のレストラン ”ファロ” に野又穫さんの作品が飾ってありました。展覧会でも見たことがありますが、実物はとても大きいです。この画集も大きめな作りで、作品の雰囲気を十分に残した良本です。

Points of View - 視線の変遷 - 野又穫作品集

 

マグリットのような希望のある青空が好きです。植物がガラスケースの中で標本のように存在している様も好きです。

Points of View - 視線の変遷 - 野又穫作品集

 

 

野又穫さんは2010年に新しい画集を出したようですが、個人的にはこの「Points of View」に収められている、漆喰と青空と植物と乾いた空気で描かれているこのシリーズが好きです。なので、買い直しはしないと思います。

Points of View - 視線の変遷 - 野又穫作品集

 

それにしてもAmazonでは1万円近く、、定価はもっと安かった気がします。画集は買い時が難しいですね。

 

Points of View - 視線の変遷 - 野又穫作品集



※※ この本に似た作品にリンクします。お好きな次回を選んでください ※※
■次回
どこかの世界にあるようでどこにもない未来の建築たち、、と言えば大阪万博です。次回は大阪万博の、特に建物を中心にした記念本を持ってきます。次回もお楽しみに。

 

■次回
青空の中に佇むシュールな建築物たち。次回は、青空の中に佇むシュールなモチーフを得意とした、マグリットの画集を持ってきます。次回もお楽しみに。

■次回
野又さんの描く建築物は、この世界のどこかに存在しているのではないかと思ってしまうほどリアルですね。次回はシュールなリアルさを突き詰めたトリックアーティスト John Pugh の画集を持ってきます。次回もお楽しみに。