未来図書

未来食堂の蔵書一覧。画集や写真集などの珍しい本を紹介しています。

Edward Hopper: 1882-1967, Transformation of the Real 【黒色の本6】

先日は、乾いたアメリカ郊外を切り取ったニューカラーの名作を紹介しましたが、今回は乾いたアメリカを描いたエドワード・ホッパーの画集を持ってきました。

 

Edward Hopper: 1882-1967, Transformation of the Real (Basic Art)

Edward Hopper: 1882-1967, Transformation of the Real (Basic Art)

 

エドワード・ホッパーは有名な画家なのでご存じの方も多いのではないでしょうか。

エドワード・ホッパーEdward Hopper1882年7月22日 -1967年5月15日)は、20世紀アメリカ画家

20世紀アメリカの具象絵画を代表する1人。都会の街路、オフィス、劇場、ガソリンスタンド、灯台、田舎家などアメリカ人には見慣れた都市や郊外の風景を、単純化された構図と色彩、大胆な明度対比、強調された輪郭線で描く彼の作品は今日のアメリカでも高い人気をもっている。

エドワード・ホッパー - Wikipedia

 

生粋のアメリカ人は、ホッパーの作品の「大胆な明度対比、強調された輪郭線」に面白みを感じるのでしょうか?個人的には、ホッパーの作品ほど「群衆の孤独」が描かれた作品を見たことがありません。

この表紙の絵もエドワード・ホッパーの代表作ですが、こんなにも寂しい雰囲気を漂わせています。人はたくさんいるし、おしゃべりすらしているのに漂う孤独感。背景が黒いせいもあるのでしょうか、夜のワンシーンを撮ったような作品です。

  

大都会の孤独。かれの作品を見るものは誰しもそれを感じとるだろう。複数の人間が描かれた作品でさえ、そこに「会話」がないものが多い。歴史もなく、風土もなく、絆もなく、分断された「個」となってしまった人間たち。お洒落なティールームの中で、開放的なモーテルのソファの上で、ピアノのあるリビングで、かれらは満たされない表情をして黙っている。風景を描いても同じだ。灯台も、ビルも、ガソリンスタンドも、ドラッグストアも、トンネルも、深い孤独と空虚感をただよわせる。

Amazon.co.jp: Edward Hopper: 1882-1967, Transformation of the Real (Basic Art): Rolf Gunter Renner: 洋書

 

 

この画集は安心のTaschen出版。美術本を買うならTaschenがオススメとは前も書いた所です。安くて質がいいんです。オールカラーです。

Edward Hopper: 1882-1967, Transformation of the Real (Basic Art)

 

Amazonで調べていると、2作目も出版されているよう。

Edward Hopper's New York

 

うーんこれは良さそう。表紙の絵はこっちの方が好みです。買い直そうかな。でも112ページで3000円超えは少し高いのでは。。しばらく迷います。

 

Edward Hopper: 1882-1967, Transformation of the Real (Basic Art)



Wikiに載っている代表作を見る限り、「群衆の孤独」を常にテーマにしていたわけではないみたい。


■次回
人がいても漂う孤独感。次回も同じく、孤独な雰囲気を漂わせている「家」を描いたハンマースホイの画集を持ってきます。次回もお楽しみに。