Showa Style―再編・建築写真文庫(商業施設)【黄色の本2】
先日は東京のレトロ喫茶ガイド本を紹介しましたが、今回は昭和の商業施設を山のように紹介した、都築響一さんの写真集を持ってきました。
本書は昭和28(1953)年から45(1970)年まで、17年間にわたって出版された全145巻の『建築写真文庫』から、商業・公共建築に分類される79巻を選び、再編集してまとめたものです。
全79巻ということもあり、圧巻のボリュームです。
内容に関しては、このShowaStyle のためだけに開かれたブログを見つけましたので、そちらをご覧になるのが一番早いかと思います。目次から中身の写真から、相当力を入れて解説されています。
Showa Style 再編・建築写真文庫
ボリュームで押してくる感じが、都築響一さんの本らしくてたまらないですね。写真も枠なしで全面に記載されています。出し惜しみなしです。
バーや喫茶店、事務所や寿司屋など、細かいカテゴリに分けて延々写真が載っています。
未来食堂の内装の参考になるかと思い、一生懸命眺めていますが、読んでも読んでも終わらないボリュームです。
値段が高くてもいいから大判で出て欲しかったなあとは思います。厚さ故に見難い感じもします。背も割れてしまうんだろうな。
建築写真文庫の最終巻が出版されたのは1970年、大阪万博が開かれた年である。「人類の進歩と調和」をうたった、ほとんど陽性の狂気のごとくハッピーな気分にあふれた万国博覧会。それは明るい未来がかならずやってきて、建築がそのためにかならず役立つという、いまでは幻想でしかない思いこみを全世界が共有できた、最後の万国博覧会だった。
1970年、僕らのうちで、なにかが死んだのだ。ひとびとのくらしと建築デザインが幸福感覚をともにできた古き良き時代の、もっとも身近で、もっともリアルな記録。それが建築写真文庫なのかもしれない。(序文より)
都築響一
一日中眺めていたいです。
Showa Style―再編・建築写真文庫(商業施設)
■次回
昭和スタイル、良いですね。次回は海外の同時期のデザイン(60'sデザイン)まとめ本を持ってきます。次回もお楽しみに。