トーマの心臓【緑色の本2】
先日は、外国の作家が日本のサブカルチャ−を取り入れた作品を紹介しましたが、今日は日本の漫画家が海外の文化を取り入れた作品を持ってきました。
少女漫画の不朽の名作とも言える”トーマの心臓”。萩尾望都さんの作品です。少女漫画特有の複雑なコマ割り!
冬の終わりのその朝、1人の少年が死んだ。トーマ・ヴェルナー。そして、ユーリに残された1通の手紙。「これがぼくの愛、これがぼくの心臓の音」。信仰の暗い淵でもがくユーリ、父とユーリへの想いを秘めるオスカー、トーマに生き写しの転入生エーリク……。透明な季節を過ごすギムナジウムの少年たちに投げかけられた愛と試練と恩籠。今もなお光彩を放ち続ける萩尾望都初期の大傑作。
この本への内容は、Amazonに大量にレビューがありますのでそちらをみていただくと雰囲気が伝わると思います。
黒髪の少年が主人公、ギムナジウム(ヨーロッパの中等教育機関で日本の中高一貫校に相当する学校)での生活を描いています。
テーマは「神と赦し」。自分の命をかけてまで相手を赦す、というあり方はキリスト教的思想が色濃く漂います。
私事ですが、中高はキリスト教だったことや高校生の時は宗教哲学を志そうと思っていたこともあり、キリスト教は自分の中で大変重いテーマです。
というか”とある事情”があってキリスト者になれない、その事情は”赦し”が大きく関わりあう自分にとっては、この漫画は人事ではなく人生にとってとても重い一冊です。初めて読んだ13歳前の時から色褪せず自分の中にあります。
とりあえず、、傑作です。ぜひ多くの方にご覧いただきたい一冊です。
トーマの心臓
■次回
今回はキリスト教をモチーフとした漫画を取り上げました。次回はそんなキリスト教の今を探る新聞を持ってきます。次回もお楽しみに。