鳥のない鳥篭―植松 大雄【白色の本6】
先日は、とても綺麗な”青空”を描いたシュルレアリスムの巨匠を紹介しましたが、今回は、”青空”繋がりで、青空が印象的な詩集を持ってきました。
青空の写真、良いですね。「鳥のない鳥籠」から抜け出た鳥が羽ばたいた青空なのでしょうか。
中身は歌集です。
この本は、以前紹介した二階堂奥歯さんの形見分けで頂いた本です。
口語体で読みやすく、永遠なんてあるわけないと自覚しながらも果てのない青空を想うような、研磨された虚無感が、良い作品です。
作者のHPには30首が公開されています。
鳥のいない鳥籠は、ただの鳥籠ではなく、鳥が去ったあとの空虚と気配に満たされ、まだかすかに揺れている鳥籠だからだ。この歌集のどの歌もそんな余韻と気配を漂わせ、ありありと空虚を訴えている。
■次回
カラッと晴れた虚無感。次回はそんな瞬間をとどめた、写真集を紹介します。次回もお楽しみに。
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